スリランカ、ギャンブル産業を監督するための新たな法案を可決

執筆者 Ansh Pandey
翻訳者 Mizuki Ishida

スリランカ内閣は、国内のギャンブル産業に対する監督を強化することを目的とした「ギャンブル規制庁」の設立に向けた法案を承認しました。対象にはオンラインプラットフォームやオフショアカジノも含まれます。

2025年4月21日の閣議後に政府情報局が発表した声明によると、この法案は「ギャンブル・スポーツ規制法(Gambling Sports Regularisation Act)」と名付けられ、今後は国会に提出され審議される予定です。

法案が成立すれば、新設される規制庁は、国内外のカジノ、船上でのギャンブル、オンラインベッティングなど、スリランカ国内で行われるすべてのギャンブル活動を監視する役割を担うことになります。特に注目されているのはコロンボ・ポートシティなどの区域で、オフショアカジノに対する関心が高まっていることも背景にあります。

ランドベース・カジノに注目

地元メディアへの発言で、内閣報道官ナリンダ・ジャヤティッサ氏は、新たに設立される規制機関が、現在は官報で定められた規則の下で運営されているものの、特定の議会法によっては規制されていないランドベース・カジノも監督対象に含まれることを確認しました。

この法案は、財務・計画・経済開発担当大臣としての役割を兼ねるアヌラ・クマラ・ディッサナーヤカ大統領によって提出されました。2025年2月に閣議承認を受けた後、同国の司法長官によって承認されました。

首都の西端で進行中の大規模な埋め立てプロジェクト「コロンボ・ポート・シティ」は、今後のギャンブル運営の拠点として注目されています。同プロジェクトの主要開発企業である中国港湾工程有限公司(China Harbour Engineering Co Ltd)は、同地域に約14億米ドル(約13億ユーロ)を投資したと報じられています。

売上税および入場料の引き上げ

港湾エリア付近での主要な開発の一つが「シティ・オブ・ドリームズ・スリランカ」であり、これはジョン・キーリス・ホールディングス(John Keells Holdings Plc)によって建設されている高級エンターテインメント複合施設です。プロジェクトの総額は10億ドル(約9億3,500万ユーロ)とされており、大型カジノも含まれています。このカジノはメルコ・リゾーツ&エンターテインメント社(Melco Resorts & Entertainment Ltd)によって運営される予定です。

香港上場の親会社であるメルコ・インターナショナル・ディベロップメント社(Melco International Development Ltd)は、2024年4月1日より20年間のライセンスのもとでカジノを運営すると3月に発表しており、正式なオープンは2025年第3四半期に予定されています。

新たな規制強化の一環として、スリランカ政府は2025年度予算において、カジノの入場料を現行の1人あたり50ドル(約47ユーロ)から100ドル(約93ユーロ)へと倍増させる提案を行いました。

さらに、ゲーミング施設に課される売上税(ターンオーバー・タックス)を現行の15%から18%へ引き上げる方針も明らかにしており、これは歳入の拡大と業界への統制強化を目指す広範な取り組みの一環です。

アナリストらは、この新たな規制当局の設立により、スリランカのギャンブル業界における規制が一元化され、国家による監督と財務の透明性が高まることが期待されると述べています。

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