南アフリカの宝くじは、運営会社の交代に関する土壇場の合意により、継続されることになった

Mercy Mutiria
執筆者 Mercy Mutiria

南アフリカの国営宝くじとスポーツプールの運営が継続されることになり、現在の運営会社であるイツバ・ホールディングス(Ithuba Holdings)は、新たなライセンス保持者であるサイズカヤ・ホールディングス(Sizekhaya Holdings)が引き継ぐまでの間、運営を続けるという合意が成立しました。この合意により、イツバのライセンスが2025年5月31日に終了した後に起こり得た宝くじの活動停止が回避されました。

公募による競争入札の経緯

サイズカヤは7社の候補者を破り、約2000億ランド(約98億ユーロ)相当の8年間のライセンスを獲得しました。貿易・産業・競争担当大臣のパークス・タウ(Parks Tau)がこのライセンス付与プロセスを主導しました。サイズカヤは南アフリカで宝くじとスポーツプールを運営する4番目の企業となります。このライセンスは、チケット価格の決定、収益の創出、社会事業への資金配分などの義務を伴います。

ライセンスの期限と法的課題

イツバは2015年に8年間のライセンスを取得しましたが、2023年にはコロナ禍による遅延を考慮し、特例的に10年間に延長されました。この延長は2025年5月31日に終了予定でした。イツバは新しい運営会社のサイズカヤへの引き継ぎまでの間、12か月の暫定ライセンスを申請し、国営宝くじ委員会(NLC)もこれを支持しました。しかしプレトリア高等裁判所は暫定ライセンスの期間は最長5か月と判断。イツバは5か月では採算が取れないとして、宝くじやスポーツプールの中断の可能性が浮上しました。

パークス・タウ大臣の土壇場の決断

緊急会議でパークス・タウ大臣は、NLCおよびイツバと協議の上、高等裁判所の判断に反して、イツバのライセンスを12か月間延長することを承認しました。この暫定ライセンスは2026年5月まで有効であり、その間宝くじの抽選は継続され、サイズカヤは引き継ぎ準備を進めます

社会支援資金を支える財政準備

宝くじの収益は南アフリカ各地の多くの社会プログラムに資金提供しています。活動停止の恐れがあった際、NLCは22億ランドの準備金を用意しており、サービスが中断しても助成金が受益者に届くことを保証しました。この資金は教育、健康、スポーツ、慈善活動など重要な分野を支えるために確保されています。

知的財産権の保護に注力するサイズカヤ

イツバは引き続き1年間運営を担当しますが、新運営会社のサイズカヤは既に将来のビジョンを示しています。サイズカヤの会長モーゼス・テンベ氏は、「同社の提案はライセンス終了後に宝くじの設計・開発・運営に関する知的財産を政府に返還することを約束している」と述べています。そして「この約束が、8年間の運営権獲得につながった」と説明しました。

計画と業界の反応

暫定ライセンスの決定により運営の不透明感が解消され、業界関係者は安堵しています。宝くじ販売に依存する小売店は中断なく営業できることを歓迎し、社会プログラムの受益者も資金の安定供給を安心しています。NLCはイツバとサイズカヤ両社と協力し、システム統合、スタッフ研修、利用者への案内を行い、円滑な引き継ぎを約束しました。

今後の展望

これによりサイズカヤの具体的な展開計画が進められます。今後8年間でデジタルプラットフォームの強化、ゲームの拡充、社会貢献活動の強化を目指します。一方、イツバは更新されたライセンスのもと、10年の運営経験を活かし日々の業務を継続します。

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